相続問題を解決するために、最初に相談するのはどこが最適なのでしょうか?インターネットで検索する方が多いですが、誤った情報が掲載されていることも多いため、あまりおすすめできません。できれば相続に詳しい専門家に相談したいと思う方も多いでしょう。
しかし、必ずしも「相続の相談は司法書士が最適」というわけではありません。相談内容や依頼の目的に応じて、最適な相談先は異なります。
私自身、多くの方から「最初の相談を誰にすれば良いかわからない」というご質問を何度もいただきました。そこでこのページでは、一般的な相続の相談先を6つ挙げ、相続手続き専門の司法書士事務所の視点から長所と短所を解説します。その上で、あなたの相続手続きについて、どの専門家に託せば問題を「早く安く」解決できるかをお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
わかる!相続の相談先・選び方
初めて相続を体験される方は、偶然目にした「相続の相談やってます」や「無料相談受付中」の広告に引き寄せられることも多いと思います。しかし、せっかく話を聞いてもらっても、時間の無駄に終わることがあります。
まずは、相談先としてどのような選択肢があるかを知り、それぞれの特徴を理解することが重要です。どこに相談するかを決めるのはそれからでも遅くありません。相続の相談先は、次の6つの中から目的に応じて選択するのが一般的です。
相続の相談を受け付ける先は6パターン
結論から言いますと、一般的な相続の相談先としては、次の6つがあります。
- 市役所・区役所などの公的機関(無料相談)
- 銀行(信託銀行)
- 司法書士
- 弁護士(法テラス)
- 税理士
- 行政書士
しかし、いざ相続の手続きを相談・依頼するにあたって、「市役所・区役所などの公的機関(無料相談)」「銀行(信託銀行)」「税理士」「行政書士」「弁護士」「司法書士」のそれぞれの役割がどう違うのか、あまり理解されていません。問題を抱える皆さんにとっては「どこが自分の悩みを解決するのに適しているのか?」が一番重要です。
そこで、これら6つの相談先の取扱業務の違いと、相続の手続きを進める上でどのようなケースで利用するのがふさわしいのか、利用する場合の長所と短所を表で整理しました。
パターン1|相続全般を大まかに知りたいなら市役所・区役所などの無料相談がおすすめ
市報などを細かくチェックすると、「弁護士による法律相談」や「税理士による税務相談」など、自治体によってさまざまな無料相談が開催されていることを知ることができます。
問題がすべて解決することは少ないが利用価値はある
無料相談の利用価値
問題がすべて解決することは少ないかもしれませんが、無料相談は利用価値があります。市役所や区役所、税務署、法務局などの「窓口の職員」に直接困りごとを相談しても、問題を解決するのは難しいです。
公的機関の無料相談会の利用方法
公的機関を利用して相談するためには、市等が開催する「無料相談会」を利用しましょう。市役所や区役所、税務署、法務局などの公的機関では、定期的に無料相談を実施しています。多くの場合、電話等で予約をして、直接窓口に出向いて相談を行います。
無料相談は、日程によって現役の弁護士、司法書士、行政書士、税理士、土地家屋調査士などの専門家が交代で担当します。相談員は、司法書士であれば司法書士会などの所属団体から派遣要請されてやってきます。つまり、役所の「窓口の職員」に相談するのではなく、「無料相談会」を担当する専門家に相談することになります。
無料相談会の予約と告知
無料相談会の日程は、自治体の広報やホームページで告知されます。ただし、すぐに予約が埋まってしまうことも多く、希望通りの日時に予約が取れない場合もあります。
自治体によっては、税理士・司法書士・土地家屋調査士など、複数の専門家が一堂に会して、まとめて相談できる機会もあります。そのような機会があれば非常に貴重ですから、ぜひご利用ください。
メリットとデメリットを知ってから
メリットは、誰でも気軽に利用できる点です。また、所定の用紙に相談事などを記入するように窓口で促されますが、その情報管理は地方自治体が行いますので、個人情報の保護という観点で安心です。またそもそも個人情報の記載を求められない場合もあります。
デメリットは、その場で相談員に仕事を依頼することはできないため(相談員が相談者に名刺などを渡す宣伝活動は禁止されています)、実際の手続きの依頼をするために専門家を探さなければならないことです。
また、自分で作った書類を持参して「内容をチェックしてほしい」という要請にはほとんどの場合、応じることはできません(この点については6つの相談先すべてに共通しています)。
メリット | デメリットや注意点 |
■気軽に無料で利用できる
■情報は役所で管理される為、安心安全 ■依頼を強要されることはない |
■その場で仕事の依頼はできない
■一般的な回答が得られるだけで、個別的・具体的なアドバイスは受けられないこともある ■あなたの作成した書類のチェック(添削)は受け付けない ■相談時間は30分程度で延長はできない |
このような相談内容なら公的機関の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、市役所・区役所などが設ける無料相談会を利用してみるのも方法の一つです。
相談内容・困り事 | 公的機関がよい理由 |
相続が開始したが何からすればよいか分からない | 公平な立場から、具体的にどの専門家に手続きを依頼すべきか、または自分でもできる手続きであるか意見を聞ける。 |
戸籍謄本など書類の見方が分からない | 専門家に聞きづらい、ちょっとした疑問を気軽に質問できる。 |
誰が相続人になるのかわからない | |
相続税がかかるかだけ知りたい | |
ほかの相続人から連絡があった | どう対応すればよいかが手っ取り早く分かる。争ったり、自分の権利を主張するつもりがなければ、いち早い解決方法としておすすめ。 |
書類の書き方を知りたい | 具体的な書類の添削はできないが、アドバイスは受けられるので、自分で手続きを行いたい方におすすめ。 |
このように、役所の無料相談は、何も知らない方が相続手続きの概略を知るには良いきっかけになるでしょう。しかし、本質的な問題の解決にはならないことが多いと言えます。
もし、このページの解説を一通り読んでも、自分がどの専門家に相談・依頼すればわからないという場合は、公的機関の無料相談を利用して、相談員に判断してもらうということでもよいでしょう。
パターン2|費用は高いが「安全で画一的サービス」が売りの銀行は無料相談も実施
銀行でも相続に関する無料相談を受け付けている場合があります。ただし、すべての銀行が相続の相談を受け付けているわけではないので、事前の確認が必要です。
資産をお持ちの方には納得のサービス
銀行の無料相談会では、主に資産承継に関する適切なアドバイスを受けることが期待できます。しかし、銀行員は弁護士や税理士、司法書士のような国家資格を有しているわけではありません。そのため、専門的な法律相談をしても、その場で回答が得られないこともあります(ただし、銀行が提携する専門家に相談の上、後日回答を得られる場合もあります)。
また、「相続財産は当行で口座を開設してください」や「相続財産を運用してみませんか」などの勧誘があることもあり、多少の煩わしさを感じる方もいるかもしれません。ただし、資産をお持ちの方に対しては相応の対応をしていただけるため、最初から最後まで安心できます。
メリットとデメリットを知ってから
メリットは、全国どこにでもあるという点です。公的機関の無料相談は平日しか開催されないのに対して、銀行によっては土日対応も可能なところがあります。
また実際に手続きを依頼した場合も、マニュアル化された画一的なサービスを全国で受けられる安心感があります。
デメリットは、銀行のサービスは他の方法に比べて「費用が高額」になるという点です。
また、「直接話が通じないことがある」という点もあります。実際に個々の手続きを行うのは、銀行と提携する税理士や司法書士であることが多いため、担当の銀行員と話がかみ合わない場合も多少あります。
メリット | デメリットや注意点 |
■全国、各地域にあるため画一的なサービスが受けられる
■倒産等は考えられず安心・ブランド力 ■銀行を通して専門家の紹介を受けられる ■相続した財産の資産運用まで相談できる |
■銀行員は法律的な資格を有するわけではないので、より専門的な相談内容は窓口では対応できないことも
■銀行は原則的に取次の窓口(実際の業務は提携先の士業が行う) ■複雑困難なケースは断られることも ■料金は他の方法より割高 |
このような相談内容なら銀行の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、銀行が行う無料相談会を利用してみるのも方法の一つです。
相談内容・困り事 | 銀行がよい理由 |
口座の相続手続きが分からない | 口座の相続手続きは金融機関ごとに異なるため、その銀行で確かめるのが手っ取り早い。 |
不動産、株、投資信託などたくさんの遺産があり、遺産分割に関することを知りたい | 銀行が提供する「遺産整理業務」という商品がある。高額な費用となり富裕者層向けではあるが、銀行が窓口になりすべてをやってくれる。 |
相続財産を運用したい | 銀行は資産運用のスペシャリストであり、豊富な知識を有する。 |
例えば、「その銀行に口座を持っていて、今回の相続手続きにかかる費用について気にしていない(高くても安くても問題ない)」という場合は、銀行に相談して手続きをすべて任せてしまうのが一番簡単な方法です。さらに、銀行であれば相続した財産の運用方法についても提案を受けることができます。つまり、一般的には、銀行に相談するのが一番適しているのは「資産家」の方です。
「費用をなるべく節約したい」という目的の方には、銀行のサービスはあまり適していないかもしれません。
パターン3|遺産に不動産があれば、他の疑問も含めて司法書士へ無料相談
「司法書士と行政書士はどう違うの?」という疑問に対する答えは後ほど説明しますが、まず相続した財産の中に不動産が含まれている場合は、司法書士の無料相談を受けるのが手っ取り早い方法です。
不動産の名義変更は司法書士しかできない
相続における司法書士と行政書士の違いは、法律で次のように定められています。
- 不動産の名義変更→できる→「司法書士」
- 不動産の名義変更→できない→「行政書士」
亡くなられた方の50%以上は不動産の名義変更が必要とのデータがあります。単に確率の問題だけで言うと、2人に1人は相続の開始により不動産の名義変更が必要となり、それは法律上、司法書士のみが手続きできます。
また、相続手続きとは「故人の財産を相続人の名義に変更すること」です。預貯金や株式などについても、不動産と同様に名義変更(預貯金であれば解約)が必要です。司法書士は不動産以外の預金などについても名義変更を行うことができます。
つまり、故人から承継する遺産の中に、家や土地等の不動産が含まれているなら、最終的には必ず司法書士が相続登記を行うことになります。ですからはじめから司法書士に相談するのが近道となります。
なお、政府は令和6年4月に相続登記を罰則付きで義務化する方針です。相続登記を行わないでいると、そのうち罰則が適用されることになります。相続登記の義務化については、別のページにまとめました。このような最新情報を常に提供できるのも登記に精通した司法書士の強みです。
■【司法書士監修】相続登記の義務化|いま手続き未了の世帯にも罰則適用か?
相続手続きに詳しくない司法書士もいるので要注意
遺産に不動産が混じっていれば不動産の名義変更は必ず必要であるため、司法書士にまず相談すべきであることは理解できますが、実際に手続を進めていく間に、さまざまな問題が勃発する可能性があります。
たとえば、当初は遺産も少ないため相続税の申告は不要だろうと予想していたところ、想定外の財産が発覚し、急きょ相続税申告の準備をしなければならないケースや、逆に多額の借金が判明して、相続の放棄や限定承認を検討しなければならないケースが考えられます。
また、初めは相続人同士に軋轢はなく、遺産分割も順調だったにもかかわらず、何かをきっかけに協議が頓挫してしまい、遺産分割調停の申立をしなければならないケース(これらは当事務所でよくある実例です)もあります。
司法書士は「登記手続きの専門家」ですから、不動産の名義変更手続きは行うことができますが、全ての司法書士がこのような問題のあるケースにも的確に対応できるわけではありません。
相続手続きは不安定なものであり、手続が完了するまではその先行きが未確定であることを理解しておくことが重要です。順調に進む場合もあれば、困難が伴う場合もあります。
そのため、登記手続きだけでなく、相続手続き(相続税の申告、遺産分割調停や裁判、相続の放棄など)の先々まで考慮すると、相続に関して専門性の高い司法書士事務所に依頼することが安心です。全ての司法書士事務所が同じではないことを理解しましょう。
専門外の司法書士へ相談や依頼をしてしまった場合…
司法書士ならどこでも安心だろうと思って相談に行っても、実際には専門外であるため、ほとんど知識が無かったり、親身に話を聞いてもらえなかったということがあります。
例えば、次のような案内を受けることがあります。
- 「相続手続きに必要な書類はできるだけ自分で全部そろえてください」
- 「相続税の節税については税務署や税理士に確認してから再度来所してください」
- 「戸籍を集めるなら行政書士へ頼んでください」
- 「相続税の申告は自分で税理士を探してください」
- 「相続放棄は弁護士に相談して下さい」
これでは時間がかかり、期限のある手続きに間に合わなくなってしまいます。
さらに重要なのは、「実際にどうやって他の相続人に対応していけば良いか」という多くの相続人が抱える問題です。この点については、相続を専門としない司法書士からは良い助言は得られないものと考えてください。
なぜなら、こういった現実的な問題への対処は、専門書には載っていない部分が多く、経験と実績が頼りになるからです。
このように、相続の登記だけでなく、相続に関連する手続きもまとめて代行・支援してもらえるかは、スムーズに相続手続きを進める上で非常に重要なポイントとなります。依頼をした後に「思っていたのと違った」ということがないように、事前にしっかりと考えることが大切です。
不動産があっても相談先は司法書士でない方がいい場合も…
遺産の中に不動産があっても、相談や依頼を司法書士にしないほうが良い場合もあります。たとえばすでに紛争状態になっている場合や、代理人として他の相続人と交渉をしてほしい場合は、司法書士では対応できません。
メリット | デメリットや注意点 |
■法務局に対して相続登記ができるのは司法書士だけ
■預貯金・投資信託など他の名義変更も可能 ■裁判所の書類作成(遺言書の検認、相続放棄、遺産分割調停)も可能 |
■すべての司法書士が相続手続き全般に詳しいわけではない
■相続税の申告はできない ■すでに紛争状態の場合、司法書士では対応できない ■あなたの代理人となって交渉事はできない |
このような相談内容なら司法書士の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、司法書士が行う無料相談を利用してみるのも方法の一つです。
相談内容・困り事 | 司法書士がよい理由 |
不動産の相続手続きがわからない | 不動産の相続手続き(名義変更)は司法書士のみが行える。 |
不動産、株、投資信託などたくさんの遺産があり、遺産分割に関することを知りたい | 銀行と同様の「遺産整理業務」を扱っている事務所もある。銀行の料金より低額なことが多く、すべてをやってくれる。 |
戸籍謄本など必要な書類を集めてほしい | 弁護士、税理士、行政書士も集めることはできるが、不動産や預金の相続手続きがあるなら、一括して任せれば手間が省ける。 |
遺産分割協議書を作ってほしい | 遺産の中に不動産があれば、最終的には登記も必要なので司法書士に頼めばラク。 |
相続放棄を検討している | 弁護士よりも費用が低額なことが多い。 |
遺言書が発見された | 「検認」「遺言執行者の選任申立」の手続きが必要となることがあり、弁護士よりも費用が低額なことが多い。紛争状態でなければ弁護士に相談するのは早い。 |
パターン4|話し合いで解決する見込みがない時は弁護士の無料相談へ
相続が開始して、相続人で遺産に関することを話し合ったけれども、解決に至らなかったという場合は、弁護士に相談することになります。
相続トラブルは弁護士しか解決できない
もし、あなたが次のような状況に置かれている場合、弁護士への相談を検討すべきです。
- 自分の法定相続分を超える権利を主張をする相続人がいる(わがままな相続人)
- 遺言書の無効を主張する相続人がいる
- 遺留分を侵害していることを理由に遺留分の侵害額を請求する相続人がいる
- 生前から相続人同士が不仲で話し合いは絶対不可能
なぜこれらの場合、弁護士への相談が近道なのでしょうか?それは、これらの問題を解決するには遺産分割調停や遺産分割審判、または裁判の手続きを視野に入れる必要があるからです。
訴訟問題に発展しなかったとしても、あなたに代わって相手方との遺産分割交渉を行う必要があります。このような交渉は法的には弁護士に限って可能なことです。
メリット | デメリットや注意点 |
■裁判手続きの代理をしてもらえる→相続人同士で既にトラブルが発生して裁判以外考えられない状況では弁護士が頼りになる
■裁判にならなくても代理してもらえる→あなたの代理人となり相手方と交渉をしてくれる |
■専門家からの説明や相続人会議の開催などで解決が可能なら、初めから弁護士を選択するのは高い弁護士費用が無駄になることも
■訴訟になれば長期に及び費用は高額 |
このような相談内容なら弁護士の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、弁護士が行う無料相談を利用してみましょう。
相談内容・困り事 | 弁護士がよい理由 |
遺産分割の話し合いがまとまらない | 他の相続人の方と交渉が必要になるため、弁護士しか対応ができない |
遺留分の請求をされている | |
遺言書が無効であると主張する方がいる | |
すでに終了した遺産分割について納得がいかない点がある |
公的機関「法テラス」で無料の弁護士相談が可能
とは言っても、一般の方にとってはいきなり弁護士事務所への相談は敷居が高いのは事実です。そこで、国が設立した法的トラブルの無料相談所である「法テラス」の利用をお勧めします。
全国に相談所が設置されていますが、次のような利用条件がありますので、誰でも利用できるわけではありません。
- 収入等が一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとは言えないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
詳しくは公式ホームページのリンクを貼っておきますので、そちらからお確かめください。
パターン5|相続税の困りごとは税理士の無料相談へ
相続を専門とする税理士事務所は数多く存在します。税理士は税に関する専門家であり、特に相続税の申告について不安がある方は、税理士の無料相談をおすすめします。
相続税の正確な試算ができるのは税理士だけ
相続税の正確な試算ができるのは税理士だけです。相続税の課税対象となるかどうかは、遺産を適切に評価し、借金や葬式費用、基礎控除などを差し引いて計算することで決まります。
概算程度であれば、弁護士や司法書士、行政書士でも対応可能ですが、正確な金額が不明ならば意味がありません。ですから、相続税の試算にはやはり税理士に相談することが最良です。
また、二次相続(将来の相続)を含む節税対策まで提案できるのも税理士の強みですが、無料相談で具体的な試算や節税方法を提案してもらえるかは事務所により異なります。無料相談では概算のガイドラインを得ることが一般的です。
相続税がかかるケースはほとんどない
「相続といえば相続税」という誤解が多いのですが、相続税が課税されるケースは実際には少ないです。一般的に、遺産が少額であれば相続税の申告は不要です。税理士に相談しても、実際に申告手続きを依頼する必要がなく、相談だけで終わる場合もあります。
当事務所では相続税に詳しい税理士と連携していますが、「相続税を抑えたい」という相談が多い一方で、実際には相続税が必要なケースは少ないことが多いのが現状です。
メリット | デメリットや注意点 |
■相続税に関する専門家、節税の方法もアドバイス
■故人に収入があった場合等「準確定申告」も代行 ■相続財産を売却した場合の「確定申告」も代行 |
■すべての税理士が相続税(節税)に詳しいわけではない
■不動産の相続登記はできない ■裁判所の書類作成はできない ■そもそも相続税の申告が必要な人の割合は死者全体の10%以下程度である為、税理士が必要な事例は少ない |
このような相談内容なら税理士の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、税理士が行う無料相談を利用してみるのも方法の一つです。
相談内容・困り事 | 税理士がよい理由 |
具体的な相続税の金額が知りたい | 正確な相続税の試算は税理士のみが行える。 |
相続税がかからないような分割方法を知りたい | 節税するための様々な方法を具体的に試算して提案できるのは税理士だけ。 |
準確定申告もやってほしい | 準確定申告を代理できるのは税理士だけ。 |
相続した不動産を売却した場合の税金が知りたい | 譲渡所得税や不動産取得税の具体的な試算ができるのは税理士だけ。 |
パターン6|基本的に自分で手続きをするつもりの人は行政書士の無料相談へ
行政書士も相続手続に関する無料相談を受け付けています。行政書士事務所は数が多いため、弁護士や税理士、司法書士が近くにいない場合は、まずは行政書士に相談してみることをおすすめします。
スポットの手続きを頼みやすい
行政書士は不動産の名義変更や裁判所への書類提出、相続税の申告などはできません。そのような手続きが必要な場合には、適切な解決策とは言えません。
一方で、あなたが自身で相続手続きを進めることが可能で、「不動産の名義変更・裁判所への書類・相続税」が不要な場合には、行政書士に相談することが適切です。行政書士は個別の手続きをスポットで受けることが多く、以下のような場面で役立ちます。
- 戸籍謄本だけ集めてほしい
- 家系図だけ作ってほしい
- 遺産分割協議書だけ作ってほしい
- 車の名義変更をしてほしい
- 金融機関の手続きだけしてほしい
遺産に不動産が含まれていない場合や相続税の申告が不要な場合、相続手続きはそれほど複雑ではないことが多いため、行政書士に一部の手続きを依頼し、残りは自分で行う方法もあります。
自己責任で手続きを行う部分は失敗のリスクがありますが、費用を最小限に抑えることができるメリットがあります。
メリット | デメリットや注意点 |
■広告を出しているところが多い(例:「相続センター」等の名称)ので見つけやすい
■登記申請・税務申告以外で、自分でできない部分を代理してもらえる |
■不動産の相続登記はできない
■裁判所の書類作成はできない ■相続税の申告はできない |
このような相談内容なら行政書士の無料相談がよい理由
次のようなお悩み・相談内容であれば、行政書士が行う無料相談を利用してみるのも方法の一つです。
相談内容・困り事 | 行政書士がよい理由 |
車・バイクの名義変更の方法が知りたい | 車・バイクの名義変更ができるのは行政書士だけ |
戸籍謄本など必要な書類を集めてほしい | 戸籍謄本の収集は行政書士もできる |
遺産分割協議書を作ってほしい | 遺産の中に不動産がなく、相続税も検討しなくてよい場合は、行政書士のみで手続きが完結する場合がある |
自分で手続きをするので手伝ってほしい | 登記と税務申告以外であれば、行政書士のサポートを受けながら自分で手続きすることも可能な場合がある |
結論|相談先・依頼先は目的別に使い分けることが重要
相続の相談先は一概に「ここに決めるべき」という絶対的な答えはありません。あなたの問題の内容や解決したい方法に応じて、適切な専門家を選ぶ必要があります。
このページで述べた内容をまとめると以下の通りです。
- まずどうしたらよいかを簡単に知りたいなら役所の無料相談
- 不動産を相続するなら司法書士
- 争いになっているなら弁護士
- 相続税がかかりそうなら税理士
- 不動産も相続税も関係ないなら行政書士
それにしても、目的別に相談・依頼先が異なるとすると、いちいち専門家を探すのも面倒です。どこか一括で相談・依頼を引き受けてくれるところがあれば便利だと思いませんか。
当事務所では「幅広い相続手続き」を扱います
私たち「こん・さいとう司法書士事務所」は、遺産相続手続きを専門にしています。事務所は2001年に開設され、すでに創立20周年を越えています。司法書士が2名在籍し、全国オンライン対応の相続専門事務所です。
当事務所は次のような特徴があります。
- 「相続関係の訴訟に強い」パートナー弁護士と提携しています。
- 「相続税に強く、節税意識の高い」パートナー税理士と提携しています。
ワンストップサービスを提供し、全ての相続に関する問題を一括で解決します。お客様一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を心がけています。
たとえば、相続税の申告が必要な場合は、期限内に納税する必要がありますので、依頼を受けた段階で相続手続きのスケジュールを確定させます。その後は、スケジュールを守りながらスムーズに納税手続きを進めます。
つまり、当事務所では相続税申告のために別途税理士を探す必要はありません。以下のような流れで、全ての手続きをまとめて対応します。
- 節税や二次相続を踏まえた遺産分割協議書の作成
- 相続税の試算表の作成
- 不動産の相続登記
- 相続税の申告手続き
当事務所で扱う相続に関する手続きの一覧
下の表は、当事務所で対応可能な相続手続きの範囲の一例です。
ご覧の通り、亡くなった方のほぼ全ての相続手続きは、当事務所で完結します。お金と時間を節約する意味でも、相続の相談は、相続手続きに強い司法書士が最良と言える理由です。
当事務所は、相続登記や単なる書面の作成しか行えない司法書士事務所ではありません。「遺品の整理・家捜し(やさがし)」「相続した不動産の売却」まで対応ができるのが強みです。
名義変更 | 土地、建物の名義変更(相続登記) | ○ |
死亡による役員変更登記、解散登記(会社の登記)(事業承継) | ○ | |
銀行口座の相続手続き | ○ | |
株式・投資信託の相続手続き | ○ | |
書類作成 | 戸籍謄本等の収集 | ○ |
遺産分割協議書の作成 | ○ | |
裁判書類関係 | 相続放棄の手続 | ○ |
遺産分割調停の申立書類の作成 | ○ | |
成年後見人の手続 | ○ | |
相続財産管理人の手続(相続人不存在) | ○ | |
連絡業務・遺産分割 | 他の相続人に対する連絡業務 | ○ |
相続人会議の司会・進行・会議室の手配 | ○ | |
相続人への配当・振込手続き | ○ | |
相続対策 | 遺言書の作成 | ○ |
生前贈与 | ○ | |
税務 | 相続税の申告・節税のアドバイス | ○パートナー税理士が担当 |
訴訟 | 裁判手続きの代理 | ○パートナー弁護士が担当 |
許認可 | 車の名義変更 | ○パートナー行政書士が担当 |
その他 | 遺品整理・家捜し(やさがし) | ○パートナー遺品整理業者が担当 |
相続した不動産の売却・リフォーム・解体・賃貸 | ○提携の不動産業者をご紹介します |
上記の手続き以外にも様々な相続の手続きに対応することができます。年々増える複雑な相続問題に、私たち専門家集団が全面的にサポートします。もちろん、個人情報の管理も徹底しています。当事務所の独自の個人情報保護指針を策定し、遵守しています。
なお、当事務所では、講師の経験も豊富な司法書士が「相続・遺言・後見に関する諸問題を広く知ってもらうための活動」として、出張セミナーも行っています。
セミナーでは相続問題を未然に防ぐために、相続の基礎をお話ししたり、遺言を残したりすること(遺言の書き方)を提案しています。当事務所の取り組みについては、別のページで紹介しています。
当事務所の報酬について
このような専門知識を有する事務所であるがゆえに、報酬・手数料がとても高いのではないかと誤解をされますが、当事務所の報酬金額は全国の司法書士事務所の平均額を採用しています。
手続きの一例 | 報酬(税別) |
戸籍謄本・戸籍抄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本を含む) | 1通あたり2,000円 |
相続登記 | 62,000円から |
遺産分割協議書の作成 | 20,000円から |
預金・有価証券の手続き | 40,000円から |
相続の放棄 | 50,000円から |
たとえば、戸籍謄本の取得代行は1通2,000円ですし、相続登記は62,000円~、遺産分割協議書は20,000円~です。以上の表は手続きの一例です。報酬の算定方法や、その基準、詳細な報酬明細、これ以外の手続きの手数料についてはウェブサイトにて公表しています。公表している金額以外をご請求することは一切ありません。
いまなら無料相談を受け付けています
私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年間、相続問題に取り組んでまいりました。
このページでは、「相続の相談は誰にすればいいのか?6パターンの比較・目的別にすぐ分かる」という内容をご紹介しました。
相続手続きを始める際には、どのようなステップを踏めばよいのか、費用や所要時間はどの程度かなど、多くの疑問があることと思います。そのような疑問や悩みについて、直接司法書士に質問できる機会があれば便利ですよね。
そこで、私たちは毎週土曜日に無料相談を実施しています。面談は対面または非対面の選択が可能ですので、お客様のご都合に合わせてご利用いただけます。当事務所の無料相談では、以下のようなメリットがあります。
- 相談内容に基づいたアドバイス
- 詳細な手続きの説明
- 費用や期間の見積もり
ご家族でのご相談も歓迎しております。わからないことは何度でも丁寧に説明いたしますので、ぜひ無料相談をご利用ください。
無料相談のご予約は、お電話(代表番号:042-324-0868)またはウェブサイトの予約フォームから承っております。お気軽にご予約ください。
メール無料相談|お問い合わせフォームはこちら
以下の注意事項をよくお読み頂き同意の上、お問合せフォームに入力後・送信ボタンをクリックしてください。