【考察】自筆遺言書は書く意味あるのか?
好評なのか、好評でないのかよく分からないのですが、【考察】シリーズ、今回もやってみたいと思います。
今回は、「自筆遺言書は書く意味あるのか?」で一考。
遺言書には、自分の遺産をどう分けてほしいとか希望を書きます。
遺言の効力が発生するのは、遺言者の死亡時ですから、死亡して初めて、遺言書に書いた内容が意味を持つわけですね。
ただし、その通りに分配されるかどうかは、遺言を残された人が、どのように行動するかにかかっているとも言えます。
自筆遺言書は書く意味あるのか?
そこで、その通りに分配されるかどうかも分からない自筆遺言書を書いて、なんか意味あるのか?となるわけです。
自筆遺言証書についてのキホンはこちらの記事にあります。
自筆遺言書は一長一短
自筆遺言書のメリットは何といっても、何の費用もかからない事に尽きるでしょう。
ゼロ円ですからね。
紙とペンがあれば、今すぐ、誰でも作成できます。
まぁ、遺言は法律が定める方式を踏んでいないといけないので、方式を踏み外すわけにはいかないのですが。
ただ、方式と言っても
2.名前を書く
3.日付を入れる
4.印を押す(どんな印でもいい)
程度のものですから。
大した話ではありません。
それでは、デメリットは何でしょうか?
発見されないこともあるという程度でしょうかね。
……
「発見されない?!」
自筆証書遺言のデメリット
もちろん常に発見されないというわけではありません。
しかるべき人に預ければ、心配はないでしょう。
しかし、例えば机の引き出しにしまっておいても、誰にも発見されずに終わることはありうるでしょう。
さらに、発見されても、発見した人がその遺言書の内容に納得できなければ、捨てられるかもしれず、結果、無かったことになってしまいます。
もちろん、遺言書をわざと隠したり、捨てたりすれば、法律上相続資格がはく奪されます。
しかし、それを誰も見ていなければ、結局何もなかったことになるのです。
ここに、自筆遺言証書による遺言の難しさがあります。
自筆遺言書のデメリットを解消する方法とは?
いくつかあります。
2.自筆証書ではなく、公正証書で遺言を作成すること
対策としてはこの2つでしょうか。
まず、「1」ですが、「遺言執行者」とは遺言の内容を実現する者のことを言います。
遺言書の中であらかじめ定めておくことができます。
ただし、一方的に定めても、死後に就任承諾は得られないので、生前に同意を取り付けておく必要があります。
また、一般的に、専門家が自筆遺言書の執行者になることは少ないと思います。
そこで、「2」です。
いっそのこと、費用は掛かるが、公正証書で作成することです。
公正証書遺言は、公証人役場で保管されます。
少なくとも、捨てられたり隠されたりすることはあり得ません。
また、公正証書遺言であれば、事前に、専門家に執行者としての就任承諾を取り付けることも容易です。
いかがでしょうか。
「遺言書は書いただけでは自己満足」。
五七五、いま思いつきました。
正にこの通りだと思います。
公正証書遺言の作成サポート、行っております。
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東京司法書士会会員
令和4年度東京法務局長表彰受賞
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員(法務大臣認定司法書士)
公益社団法人成年後見リーガルサポート東京支部会員
家庭裁判所「後見人・後見監督人候補者名簿」に登載済み
公益財団法人東京都中小企業振興公社「ワンストップ総合相談窓口」相談員
公益財団法人東京都中小企業振興公社「専門家派遣事業支援専門家」登録