遺産分割をうまくまとめるには
これまで幾多の相続事例を見てきました。
うまくいく相続と、そうではない相続(暗礁に乗り上げてしまう)は、どこに違いがあるのでしょうか。
私にとっても永遠の謎です。
お客様から依頼を受ける時に、「これは問題なさそうだな」と思っていても、なぜかうまくいかなかったりすることがまれにあります。
反対に、「これは難しいかもしれませんよ」とお話ししても、何も問題なく終わることもあります。
さすがに長くやっていると予想が外れることは以前に比べて減りましたが、ゼロではありません。不思議です。
ただ、いくつかの法則は経験上つかんでいます。
今回は、思いつくものをご紹介します。
遺産分割を成功させるコツ
何か自分でハードルを上げているような気もしますが、最後までお付き合いください。
法律通りにする
相続問題は、親族間の長年の感情が爆発する機会です。
相続問題に面していない人は実感ないと思いますが、これは「相続あるある」です。
今回の相続とはまるで関係ない過去の出来事や、ずっと前の相続の事を持ち出してくる相続人が一人でもいると、事態は迷走します。
これに釣られて、他の相続人も似たような主張をしてくるためです。
この場合、どうすればいいのでしょうか。
まずは、冷静に、「法律通りに行おう」と相続人間で共通認識を持つことだと思います。
相続手続きを主宰する司法書士や弁護士がいれば、「法律通りにする」とは具体的にどうすることなのか説明ができます。
しかし、専門家がいない場合、あるいは、専門家がいて説明をしても、「そんな法律は知らん。だれが作ったんだそんな法律」と言い出す方も現実にはいます。
この場合、遺産分割調停の申立が相当と判断します。
欲張らない
相続財産は不労取得です。
働かずして得る財産だという認識はやはり必要なことではないでしょうか。
それにもかかわらず、「銀行の振込手数料はどちらが払うか」などと、数百円単位で争う相続人もいます。
売り言葉に買い言葉で、どちらもヒートアップしているのかもしれませんが、そうなる前に、「欲張らない」ことを肝に銘じるべきだと思います。
この「欲張らない」ことは、「争族」となってしまった後は、むずかしい態度です。
しかし、そうなる前に心がけていれば、きっと丸くおさまるでしょう。
以上2点をご紹介しました。
当り前のことじゃないかと言われれば返す言葉もないのですが。
しかし、人間、あたりまえのことが難しいんですよね。
東京司法書士会会員
令和4年度東京法務局長表彰受賞
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員(法務大臣認定司法書士)
公益社団法人成年後見リーガルサポート東京支部会員
家庭裁判所「後見人・後見監督人候補者名簿」に登載済み
公益財団法人東京都中小企業振興公社「ワンストップ総合相談窓口」相談員
公益財団法人東京都中小企業振興公社「専門家派遣事業支援専門家」登録